No.25

久々に晴れ上がり、姿を現した神室の山々はもうすっかり秋の装い。長雨で遅れていた稲刈りもようやく終わろうとしています。8月の長雨では凶作かと思われましたが、8月末から続いた好天で持ち直し、出穂以降登熟に必要な日平均気温積算1000度〜1200度と、日照をどうにか確保し、全般的には平年作と言ったところか。無農薬の稲は目立った病虫害の発生は無かったが、出穂が遅れたため、収量はダウンしたようです。

山形県の果樹地帯で明るみにでた、発ガン性のある無登録農薬使用問題は、それまで報道されてきた、牛肉鶏肉野菜などの偽装問題とあいまって、食べる側に大きな不信感を植え付け信頼を失墜させた。山形県及び関係機関による残留農薬検査などの調査結果、96戸の農家が使用していたことが、確認された。私達の最上地区では使用は疎、そのような農薬の存在すらも知る人が居なかったのは救いであった。

使用した果樹は収穫を目前にして総て焼却処分されている。

経済効率だけが優先され、食物までが利潤追求の具としか、捉えられなくなっている今日の社会において、起こるべくして起こった事件のように思えてならない。このような時代にこそ私達農縁の運動に多くの方々に参加して欲しいものである。

稲刈りは終わっても農機具の掃除整備、畦の補修、畑野菜の収穫、畑の後片付け、冬囲い等々雪の降るまで、やらなければならない事が沢山残っている。錦織りなす山々や、競い輝く満天の星達に1年の収穫を感謝し、春までさらに安全でおいしい物を作るための知識技術習得と研究が待っている。

ネットワーク農縁代表  笹輝美

すべてにありがとう!2002年度は1口玄米37kg(5分、7分は33kg)の無農薬無化肥「さわのはな」が届けられます。

2002年度の新庄水田トラストは110口集まり、現在、遺伝子組換えイネNOのスローガンを背負って、新米の「さわのはな」がぞくぞくと会員さんの元へ出荷されます。早速お礼のお電話も入って事務局では胸を熱くして見守っているところです。今年3年目の収穫です。何回経験してもいいもんですね〜収穫は。

イネの香りが漂ってくるのを感じます。

農縁合同収穫祭
12月1日(日)北区・赤羽文化センター厨房室(JR赤羽駅西口1分)
今年はテーブルごとに生産者を囲んでの話し合いを中心に。
昼12時開会、昼食をとりながら進めます。他にわら細工がありますので、ご参加下さい。
夜は交流会。
農縁試食会:収穫祭の前後に生産者を交えた試食会を...


うちで試食会をやって!という方がいらっしゃったらよろしく。

新しくネットワーク農縁のホームページができました。イバラトミヨも見られます。

URLはこちら...

http://nouen.wp.xdomain.jp/

大豆トラストの味噌、醤油、納豆の購入希望は、下記どちらかに直接どうぞ(送料は別途)

大豆畑トラスト東京事務局:電話/FAX045−478−1410  飯島

大豆畑トラスト新庄事務局:電話/FAX0233−23−0299  佐藤あい子

遺伝子組換え稲NO!在来種を守ろう!

在来種「さわのはな」(無農薬無化学肥料)考

在来種の「さわのはな」について

20009月神奈川環境会議において次のような実験が行われました。常温で3日間水につけて、芽出しの状態をみました。3日後の芽出しの状態は

・さわのはな:100粒のうち未発芽のコメは4

・こしひかり:100粒のうち未発芽のコメは11粒

・ひとめぼれ:100粒のうち未発芽のコメは37粒

1.「さわのはな」は粒は小さいのに胚芽の力がつよく、芽出しが活発で、生命力の強いお米であることが

わかりました。

2.「さわのはな」は粒は小さいのに、胚芽の部分が他のお米にくらべて多いのです。それだけ子孫を残す力も大きく、胚芽の部分に含まれる生命を育むバランスのとれた栄養素も大きいということになります。

3.他方精米にしますと、胚芽の部分が多いために1.2割〜1.5割も少なくなってしまうそうです。しかも胚芽がしっかりとついているので、取り除くのに時間がかかるお米だそうです。「どうか胚芽を捨てないでください」といっているようですね。

4.「化学肥料が好きでない」お米でもあるそうです。「倒伏していやがる」「多収穫には向かないが、無化学肥料無農薬には向いている」とお百姓さんは言っています。

玄米について

1.玄米は精白米対比で、タンパク質を構成するアミノ酸の一種でギャバといわれているものは10倍、食物繊維は3.7倍、ビタミンE4倍、ビタミンB1.3倍、カルシウム1.7倍、マグネシウム3.3倍といわれています。非常にバランスのとれた穀物で、豆類と共にとりますとますますバランスの整ったものになるそうです。

2.化学肥料の多いお米は水を多く必要とし(栽培時)、粒は丸々として揃っています。しかし化学肥料や農薬によって田んぼの自然環境が変化しており、お米の生命力や栄養構成も異なっても不思議ではないでしょう。

3.玄米は水に一晩しっかりつけておきますと、胚芽の内部に変化がおこり、胚芽にふくまれるギャバが増加するといわれています。芽出し玄米の原理と同じなわけです。ギャバの効用として、(イ)血圧をさげる。(ロ)動脈硬化を抑える。(ハ)脳への血行をたかめ、脳への酸素供給を増加させる。(ニ)脳細胞の代謝を活発にする。(「芽出し玄米」より)とあります。胚芽の力がつよく芽出しが活発な「さわのはな」は玄米で食するに最も適したお米といえましょうか。

4.私の経験では、かむ回数が多いほど甘みがでてきます。しかしお勤めをしていますと、咀嚼に時間をかけられないので、7分づきに2割ぐらい玄米を入れて食べやすくいたします。体調をくずしたりした時は、玄米の割合を増やし原則に近づけます。

文責  阿部文子