「害虫が食べると死んでしまう遺伝子組み換えした作物を、人間は食べても安全です。」と、いくら言われても、まともな感性をもっている人なら、何かおかしいと思うのではないでしょうか。人も虫も、同じ「生命」なのですから。
最近は、日本でも、お米の遺伝子組み換えイネの開発が進められています。新しいブランドで「○○に効くコメ」とか「高機能米」なんていうものが現れたら要注意です。直接、おコメとして売られなくても、お菓子やお酒などの原料として、私たちの知らないところで使われてしまう可能性があります。
また、お味噌とお醤油は日本人にはかかせない調味料ですが、原料の大豆の95%が輸入もの。どこの国でとれたどんな素性の大豆なのかまったくわからないので、大量に農薬が使われていたり、遺伝子組み換えだったりするかもしれません。特にアメリカ産なら、その可能性が大。食用油についても同様です。
魚の世界も遺伝子組み換え技術が進んでいて、お弁当や朝ごはんでおなじみのシャケは、なんと遺伝子組み換えして、身をおいしくトロトロに作っているものまででてきました。
農薬や食品添加物はアブナイものという意識が広まってきているのに、遺伝子組み換え食品についての私たちの知識は今ひとつ。なんでいけないの?とピンとこない人も多いようです。
納豆や豆腐には遺伝子組み換えの表示がでているけれど、油や醤油など、毎日使われるものでもなんにも書かれていないので、なじみがないのかもしれません。
遺伝子組み換え技術は歴史が浅く、できたものは未知のエイリアン。安全性がまだナゾのまま。しかもお百姓さん泣かせなのです。
除草剤をまいても枯れない作物を植えれば、除草剤をまいたときに、雑草だけが枯れてしまって草取りをしなくてすむので、大幅に労力が減りますよと言われて、そのとおりにしたら、雑草のほうが免疫ができて強くなってしまい、ダイオキシン系農薬を使わなくてはならないスーパー雑草ができてしまったり、とても丈夫で、おいしい作物ですよ、といわれてタネを買ってまいてみたら、まいた年にしか実のならないタネなので、毎年タネを遺伝子組み換えタネ会社から買うはめになってしまったり・・・。
たいていの遺伝子組み換え植物を作っている会社は、殺虫剤、除草剤などの農薬も作っているので、強力な雑草が生えてこようが、免疫をつけたパワフルな虫ができようが、いずれにしても、お金の儲かるしくみになっているそうです。ある有名な遺伝子組み換え作物を作っている会社は、ベトナム戦争で使われたダイオキシン入りの枯葉剤(除草剤)を作っていたことでも知られています。
最近では、有機農業をいとなむ、カナダのお百姓さんが、風で飛んできた遺伝子組み換えのタネが自分の畑にあったために、遺伝子組み換え企業から、特許製品の泥棒として訴えられて、莫大なお金を要求されてしまっています(遺伝子組み換え技術は特許製品なのです)。
遺伝子組み換えの世界は、作物の安全性もさることながら、ウラの世界がとってもコワイのです。いつのまにか作物を作る人も、それを買う人も、知らない間にとりこまれて、お金もうけに利用されている、という構図に、うさんくささと、憤りを感じながら、何をすればよいのかわからずにいた頃、出会ったのが「水田トラスト」でした。
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