新庄水田トラスト

●HOME ●お問い合わせ ●お申し込み ●新庄の天気
●リンク ●事務局

最終更新日 2023年02月10日




ハウスキーパーからアースキーパーへ
アースキーパーネットワーク・宮本ゆうみ

「地球にやさしい」とか、「地球が泣いている」とか、言われていますが、地球は、ダイオキシンまみれになろうが、硫酸の海になろうが、ちっとも気にしていません。太古の昔、亜硫酸ガスだらけだったころも、地球は生き生きと地球でありつづけていたのですから・・・。その上に住む、私たち人間が住めなくなってしまうだけなのです。自分たちが住みやすくなるために、環境に気を使うのは、それはそれで人間のエゴなのかもしれません。でも、やっぱり気持ちのよい地球で暮らしたいものですよね。そんな風に感じている方たちへの、これらはひとつの提案です。

遺伝子組み換え食品ってなあに?

「害虫が食べると死んでしまう遺伝子組み換えした作物を、人間は食べても安全です。」と、いくら言われても、まともな感性をもっている人なら、何かおかしいと思うのではないでしょうか。人も虫も、同じ「生命」なのですから。

最近は、日本でも、お米の遺伝子組み換えイネの開発が進められています。新しいブランドで「○○に効くコメ」とか「高機能米」なんていうものが現れたら要注意です。直接、おコメとして売られなくても、お菓子やお酒などの原料として、私たちの知らないところで使われてしまう可能性があります。

また、お味噌とお醤油は日本人にはかかせない調味料ですが、原料の大豆の95%が輸入もの。どこの国でとれたどんな素性の大豆なのかまったくわからないので、大量に農薬が使われていたり、遺伝子組み換えだったりするかもしれません。特にアメリカ産なら、その可能性が大。食用油についても同様です。

魚の世界も遺伝子組み換え技術が進んでいて、お弁当や朝ごはんでおなじみのシャケは、なんと遺伝子組み換えして、身をおいしくトロトロに作っているものまででてきました。

農薬や食品添加物はアブナイものという意識が広まってきているのに、遺伝子組み換え食品についての私たちの知識は今ひとつ。なんでいけないの?とピンとこない人も多いようです。

納豆や豆腐には遺伝子組み換えの表示がでているけれど、油や醤油など、毎日使われるものでもなんにも書かれていないので、なじみがないのかもしれません。

遺伝子組み換え技術は歴史が浅く、できたものは未知のエイリアン。安全性がまだナゾのまま。しかもお百姓さん泣かせなのです。

除草剤をまいても枯れない作物を植えれば、除草剤をまいたときに、雑草だけが枯れてしまって草取りをしなくてすむので、大幅に労力が減りますよと言われて、そのとおりにしたら、雑草のほうが免疫ができて強くなってしまい、ダイオキシン系農薬を使わなくてはならないスーパー雑草ができてしまったり、とても丈夫で、おいしい作物ですよ、といわれてタネを買ってまいてみたら、まいた年にしか実のならないタネなので、毎年タネを遺伝子組み換えタネ会社から買うはめになってしまったり・・・。

たいていの遺伝子組み換え植物を作っている会社は、殺虫剤、除草剤などの農薬も作っているので、強力な雑草が生えてこようが、免疫をつけたパワフルな虫ができようが、いずれにしても、お金の儲かるしくみになっているそうです。ある有名な遺伝子組み換え作物を作っている会社は、ベトナム戦争で使われたダイオキシン入りの枯葉剤(除草剤)を作っていたことでも知られています。

最近では、有機農業をいとなむ、カナダのお百姓さんが、風で飛んできた遺伝子組み換えのタネが自分の畑にあったために、遺伝子組み換え企業から、特許製品の泥棒として訴えられて、莫大なお金を要求されてしまっています(遺伝子組み換え技術は特許製品なのです)。

遺伝子組み換えの世界は、作物の安全性もさることながら、ウラの世界がとってもコワイのです。いつのまにか作物を作る人も、それを買う人も、知らない間にとりこまれて、お金もうけに利用されている、という構図に、うさんくささと、憤りを感じながら、何をすればよいのかわからずにいた頃、出会ったのが「水田トラスト」でした。

水田トラストのこと

水田トラストで育てている「さわのはな」というお米は、他ではちょっと見られない、とても生命力あふれるおいしいお米ですが、トラストの目的は、「おいしいお米を食べようね」という集まりではありません。

遺伝子組み換え作物に反対し、農薬漬けではない安全な作物を、お百姓さんに作ってもらい、農薬で汚染され疲弊した土地の復活や、現在の農業のあり方を、作る人と買う人が交流しながら、考えようよ、という形で、スタートしたものです。

水田トラストの制度についての細かい説明はホームページを見ていただくとして、簡単にいってしまえば、農家の人たちと収穫をともによろこび、収穫ができなかった時は、共に悲しみ、痛みをわかちあうという仕組みになっています。

工場で生産されるものとは違って、自然相手の作物作りは、不作の年には、毎日の労働や高いお金がかかった設備投資などが、すべて無駄になってしまいます。買う人は、お金さえはらえば、別のところから買うことができますが、作る人には、借金が残されるか、あるいは、よくて何も残らないか・・・です。これでは、まるでお百姓さんたちに、無理やりボランティアをしてもらっているか、搾取しているということになってしまいます。今まではこんなことが普通でしたので、日本の農業がどんどん衰退してきて、自給率が世界の中でも、異常に少なくなってしまいました。

こんなアンフェアなトレードを、なんとか改善して、お百姓さんには、安定した収入で、安心な作物を作ってもらい、農薬で汚染されない土地を、地球に残こしていこうというのが、トラストの意味なのです。

最近では、お百姓さんたちによる手作り豆腐の豆腐店の開業や、バイオマスセンターの開設、最上地域の水質調査など、活動範囲が、農業だけにとどまらず、幅広くパワフルになり、地域を変えようとしています。

現在の農業や食べ物や環境、そしてアンフェアな世の中に対して、非力な自分でも何かできることはないか、と思っている方たちも多いと思いますが、わずか十数軒の山形新庄の農家の人たちが、これだけいろいろやってこられたということが、これから世界を変えていきたいと考える人たちの道しるべになるのではと思います。

「エコ家事ライフ」製作うら話

おかげさまで、主婦仲間と書いた「エコ家事ライフ」という本が、無事発刊となり、FM東京の「Kubota Good on Earth」でも、エコな話題のコーナーで、取り上げていただきました。


農家の人たちに、安心な作物を作ってもらってノンビリしているわけにはいきません。都市の消費者にも、やることはたくさんあるはずです。そんなことを考えて、「水田トラスト情報交差点」に洗剤を使わないで洗濯をする方法を以前書いたのが、この本を作るヒントになっています。

地球を住みやすくするためには、口で言っているだけでは、なんの足しにもなりません。今、自分がいるところから、できることから、今、やってみる、という意識がなければなにも変えることはできません。そんな発想から、一番、身近な家事を、化学製品を使わずに、どれだけできるかやってみよう!とチャレンジしたのが、この本でした。毎日の家事で、買い物をし、水を使い、ゴミを仕分けする人たちは、アースキーパーなのです。日常のさまざまな行動が、世界と地球に、いつのまにか影響を与えているのです。

本の中では、「きれい」にする具体的な方法ばかりを書いていますが、私個人としては、ピカピカに真っ白にお洗濯する、とか、ばい菌や虫をいっさい排除してツルツルにお掃除する、ということが、自然にはありえないことで、そういうものを求めることじたいが、コマーシャリズムにマインドコントロールされていることだと思っていたので、「そこそこきれい」でいいじゃないの・・・と、いうことをアピールする本にしたいと、思っていたのですが、出版社や編集会社などの意見も取り入れて、今の形に落ち着きました。たしかに、地球環境について論文を書くよりも、より多くの人が取り組みやすい具体的な方法を示すことのほうが、実際的です。

ハウスキーパーからアースキーパーへ。家庭の中は地球の縮図。もっと大げさにいってしまえば、大宇宙に対しての小宇宙・・・。一見ささいなことのもつ力を、見直してみる。ほんの少し視点をずらせば、本当のことが見えてくる。あなたの今いる場所で、ここちよい未来をつくるゲームに参加しませんか?

これは、本の前書きに当初入れようと思っていた文章ですが、「家事に宇宙はちょっと・・・」という意見で、削除してしまったものです。ページの関係などで書けなかったことや、一般メディアのワクの中で書けなかったことなどは、ネットに場所を移して書いています。興味をもたれた方は、こちらのHPをごらんください。日々更新しています。

また、水田トラストのHPも、トラストのことだけではなく、遺伝子組み換えの話、環境の話など、とても充実していますので、ぜひご覧ください。

遺伝子組み換え稲NO!目次へ


| HOME | 水田トラストとは? | トラストのしくみ |
さわのはなの生産者|
| さわのはなの復活 | 会報・情報交差点 | イベント・活動情報 |
| 遺伝子組み換え稲NO!
| コラム「あべ文子のあっち・こち」 | 掲示板 | 事務局 | リンク |
(C) 2004 新庄・水田トラスト Supported by ネットワーク農縁