新庄水田トラスト

●HOME ●お問い合わせ ●お申し込み ●新庄の天気
●リンク ●事務局

最終更新日 2023年02月10日


根から見た遺伝子組み換えイネと有機栽培イネ
阿部文子(新庄水田トラスト事務局)

百姓の手で何世代にも渡って育てられてきたイネを、人工的な無理やり組替えを行い、企業と国家の試験場で囲いこみ、生きたままでパテント化された遺伝子組み換えイネ・・・・それを根から見てみよう。(写真は愛知県農業試験場モンサント「ラウンドアップ除草剤耐性イネの根)

  1. 2002年7月5日、愛知県農業試験場内、解放水田で栽培された遺伝子組み換えイネは、このとき身の丈約25センチ、分けつ5−6株、根の長さ3センチのものが4−5本、9センチのものが2本、株の中央にさきの丸くなった1センチのものが4個、かたまってついている。「ひげ根」がまったくない。この試験場の遺伝子組み換えイネの見学に参加した、水田トラスト栽培者の高橋保広さんは「これは除草剤で伸びることが出来なくなった根で、やがてここは枯れる」という。


  2. この写真は2002年5月25日、約40日前に撮影したもので、左が有機栽培のイネ、右が化学肥料を与えられた慣行農法栽培のイネである。慣行栽培のイネは、この時期有機栽培のイネより緑が濃いが、根は短く、力がなく、茎も細く全体として華奢(きゃしゃ)である。それに比べ、有機栽培のイネは、この時期には根に力を集中して、縦横に力強く広がっている。茎も太く、全体に生命力がみなぎっている。ひげ根が、慣行栽培では2センチから3センチ、有機栽培では5センチから6センチになっている。

  3. 根が、こんなにも違うということは何を意味するのであろうか。少なくとも、有機栽培のイネの根は、地下にしっかりと根を張って地上のアクシデントに備えているようにみえる。

  4. 自然界で起こっている有性生殖による遺伝子組み換えは、めしべとおしべから減数分裂するとき、同じ染色体で入れ替わる。これを相同組換えという。このことは重要な意味をもっている。イネの遺伝子数は26000個で、遺伝子の突然変異はどんどん起こっており、しかもランダムに起こる。それは、イネが自然界からの有害な紫外線や原子、磁力などから身を守るためにそうしているのであって、傷ついた遺伝子を癒しながら、有性生殖=相同組換えを頻繁におこなっているのである。

 

 東京駅でわかれる時高橋さんが、ぽつり。「これは広まらないよ」


遺伝子組み換え稲NO!目次へ


| HOME | 水田トラストとは? | トラストのしくみ |
さわのはなの生産者|
| さわのはなの復活 | 会報・情報交差点 | イベント・活動情報 |
| 遺伝子組み換え稲NO!
| コラム「あべ文子のあっち・こち」 | 掲示板 | 事務局 | リンク |
(C) 2004 新庄・水田トラスト Supported by ネットワーク農縁