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最終更新日 2023年02月10日



GMOバイオハザード トリプトファン事件

ネットワーク農縁  阿部文子

 遺伝子組み換え食品の安全性にたいする原則として、「実質的同等」というのが日本でもまかりとおっています。

 この原則は、先進国クラブともいわれる、先進29カ国が加盟する経済開発協力機構(OFCD)のバイオテクノロジー安全性専門委員会が88年、遺伝的に改変された生物について「組み換えDNA技術は従来の育種法を拡大したものである」との認識を示し、日本もこれに添って「実質的同等」という安全基準を採用しています。

 同じその年、88年から89年にかけて、アメリカで、遺伝子組み換え技術をつかって、昭和電工が生産したトリプトファンという健康食品によって、大きなバイオハザードが起きました。

 トリプトファンは必須アミノ酸で、それまで各企業ともバクテリアを用いて作っていました。生産効率をあげようとした昭和電工だけが、バクテリアを遺伝子組み換えで改造し、トリプトファンを生産しました。その結果、生産性は向上しましたが、組み換えバクテリアは、改造前には作ることのなかった微量物質をつくりはじめたのです。

 昭和電工の、その健康食品を採った人が、アメリカを中心に、約6000人罹災、38人が死亡しました。被害者は現在でも後遺症に悩まされています。

 昭和電工は、被害者に原因究明を行わないことを約束させ、2113億円の和解金を支払いました。裁判の過程で、事件の原因が遺伝子組み換え技術を用いた製造工程にあったことが明らかになったにもかかわらず、昭和電工は、この件について日本においては、一貫して「原因不明」を主張しつづけ、厚生省も追及しませんでした。

 そのため、事件の教訓は、遺伝子組み換え食品の安全基準にも生かされず、遺伝子組み換え作物が、すべての人の健康と環境に及ぼす、予測しがたい未知の影響も、依然としてそのままで、遺伝子組み換え技術の実験は続いています。

 しかし、遺伝子組み換え技術の問題は、時を経るにつれて明らかになってきています。
 その内容もつづけて報告していきたいと思っています。

 



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